日本林業遺産「川浦山御用木御伐出絵図」
群馬県では初めて川浦山御用木御伐出絵図(かわうらやまごようぼくおきりだしえず)日本森林学会の日本林業遺産に認定
高性能林業機械がある現代では、どんな奥山からでも木材を伐り出すことができます。そのような機械のない江戸時代、現倉渕町川浦の御林(幕府の直轄林)から大量のケヤキを伐り出し、水運によって江戸まで運ぶという難事業が行われました。
倉渕町川浦の旧家には、江戸時代の末期に近い1834年(天保5年)から行われた、江戸城再建のための木材調達の事業のようすを克明に描いた、長さ10メートルにもわたる絵図が伝えられています。
絵図には、伐りだされたケヤキが、急峻な山からさまざまな技術、仕掛けを駆使して烏川まで降ろされ、川に流した木を現倉賀野町でイカダに組み、その後、利根川を経由し江戸まで運搬された様子が詳細に描かれています。
この貴重な絵図は、令和3年5月25日に、日本森林学会の42番目(群馬県では初)の林業遺産に認定されました。